新規歯周病治療予防薬の発明

表彰歴

2013年 関東地方発明表彰 日本弁理士会会長奨励賞受賞 「新規歯周病治療予防薬の発明」 発明者 野口宗則

新薬特許歴

2009年 日本特許第4369530号 発明者 野口宗則
「歯科用殺菌水及びその生成方法並びにその生成装置」
2011年 シンガポール特許番号162476 発明者 野口宗則
「DENTAL STERILIZING WATER, METHOD FOR PRODUCING THE SAME AND APPARATUS FOR PRODUCING THE SAME」
2011年 韓国特許番号10-1044297 発明者 野口宗則
「DENTAL STERILIZING WATER, METHOD FOR PRODUCING THE SAME AND APPARATUS FOR PRODUCING THE SAME」
2012年 欧州ドイツ特許番号 2241322 発明者 野口宗則
「DENTAL STERILIZING WATER, METHOD FOR PRODUCING THE WATER, AND DEVICE FOR PRODUCING THE WATER」
2012年 欧州フランス特許番号 2241322 発明者 野口宗則
「DENTAL STERILIZING WATER, METHOD FOR PRODUCING THE WATER, AND DEVICE FOR PRODUCING THE WATER」
2012年 欧州イギリス特許番号 2241322 発明者 野口宗則
「DENTAL STERILIZING WATER, METHOD FOR PRODUCING THE WATER, AND DEVICE FOR PRODUCING THE WATER」
2012年 欧州スウェーデン特許番号 2241322 発明者 野口宗則
「DENTAL STERILIZING WATER, METHOD FOR PRODUCING THE WATER, AND DEVICE FOR PRODUCING THE WATER」

新規歯周病治療予防薬の発明概要

歯周病は唾液感染によって引き起こされるバイオフィルム形成細菌による家族間感染です。歯周病原細菌は外部環境から身を守るために、自ら産生する粘性物質(バイオフィルム)で自分を取り巻き、成熟するとさらに厚みを増して防御能力を増強する難治性感染症です。

そのため、従来のバイオフィルム破壊除去能のない「高分子低濃度抗菌剤」はこのバイオフィルムの破壊除去が不能で、高分子であるためバイオフィルムを浸透できず、また低濃度であるため歯周病原細菌が10秒以内に殺菌不能でありながら、強酸性抗菌剤は洗口することにより歯が溶けるあるいは強アルカリ性抗菌剤は歯肉が溶ける危険性があり、従来の抗菌剤は体外成分であるため副作用の発生確率が多く、抗生物質は連用すると耐性菌が発生する現状がありました。

よってバイオフィルム破壊除去能をもつ「低分子高濃度次亜塩素酸」はこのバイオフィルムの破壊除去が(10秒以上30秒以内)で可能な高濃度炭酸水素ナトリウム水溶液(700ppm)を含有し、バイオフィルムを浸透可能な低分子(分子量100以内)で、10秒以内に歯周病原細菌が殺菌可能な高濃度次亜塩素酸(700ppm)でありながら、歯や歯肉を溶かさない微酸性(pH6.5)であり、次亜塩素酸と炭酸水素ナトリウムは体内成分であるため副作用の発生確率が少なく、連用しても耐性菌が発生しない口腔殺菌消毒薬を発明しました。それが「高濃度炭酸水素ナトリウム水溶液配合の低分子高濃度次亜塩素酸」です。

従来法の課題と開発ニーズ

①従来の中性消毒剤はバイオフィルム破壊除去機能を持たない

従来成分 グルコン酸クロルヘキシジン pH 7 ~ 8
塩化ベンゼトニウム pH 7 ~ 8

上記の成分は中性であるために、消毒剤のpHが6~8になりますとバイオフィルムを破壊除去できません。

バイオフィルムが多量に残存している

②従来の高分子消毒剤は分子量 300 ~ 800

従来分子量 ポビドンヨード 364
塩化ベンゼトニウム 448
グルコン酸クロルヘキシジン 505
抗生物質アジスロマイシン 785

上記の成分は高分子であるために、消毒剤の分子量が100以上になりますとバイオフィルムを浸透できません。

すべての歯周病原細菌が生きている

③従来の低濃度消毒剤は濃度 10 ~ 50ppm

従来濃度 低濃度次亜塩素酸【HCIO】 30ppm

上記の成分は低濃度であるために、消毒剤の濃度が300ppm以下になりますとバイオフィルム内の歯周病原細菌を殺菌できません。

バイオフィルム内細菌が生きている

④従来の 弱酸性消毒剤はpH3~5
強酸性消毒剤はpH1~3

従来成分 チモール pH 4 ~ 5
ポビドンヨード pH 3 ~ 4
塩素(CI2) pH 1 ~ 3

上記の成分は弱酸性~強酸性であるために、消毒剤のpHが5.5以下になりますと歯のエナメル質が溶解します。
上記の成分は弱酸性~強酸性であるために、消毒剤のpHが6.2以下になりますと歯の象牙質が溶解します。

強酸性のためカルシウムが外部に放出され歯が溶けている

⑤従来の 微アルカリ性消毒剤はpH7.5~9
弱アルカリ性消毒剤はpH9~11
強アルカリ性消毒剤はpH11~14

従来成分 希釈次亜塩素酸ナトリウム (NaCIO) pH7.5~9
  次亜塩素酸ナトリウム (NaCIO) pH9~11
  水酸化ナトリウム (NaOH) pH11~14

上記の成分は微アルカリ性であるために、消毒剤のpHが7.5~9になりますと歯肉の肉眼上変化はないが歯肉の細胞が溶解し細胞形態が変異します。

上記の成分は弱アルカリ性~強アルカリ性であるために、消毒剤のpHが9~14になりますと歯肉の肉眼上変化があり歯肉の細胞が溶解し細胞形態が変異します。

6%次亜塩素酸ナトリウム
60分経過後
強アルカリ性のため
歯肉が溶けて骨が露出している

⑥従来の体外成分消毒剤は体内に存在しない成分の為、洗口により副作用・アレルギーが起きやすい

従来成分 グルコン酸クロルヘキシジン

上記の成分は体外成分であるために、体外成分消毒剤を洗口することにより、生体に非自己として認識されますと、副作用・アレルギーの発生確率が多くなります。

⑦従来の抗生物質は歯周病原細菌の複製能力を司る核酸を障害しない

従来成分 ペニシリン系
マクロライド系
テトラサイクリン系

上記の成分は歯周病原細菌の核酸を障害しないために、抗生物質を連用すると耐性菌が発生します。

新規歯周病治療予防薬の作用機序

歯周病は人体における口腔内のバイオフィルム難治性感染症であるため、従来の消毒剤による①~⑦の上記の欠点をすべて解決できる【洗浄・低分子・高濃度・微酸性・体内成分・溶菌】能力を全て併せ持つ口腔殺菌消毒薬による歯周病治療予防を可能とする「高濃度炭酸水素ナトリウム水溶液配合の低分子高濃度次亜塩素酸」の発明の特徴

①発明の洗浄消毒剤はバイオフィルムの破壊除去可能な炭酸水素ナトリウムの濃度(300ppm以上700ppm以下)であること

発明濃度 高濃度炭酸水素ナトリウム 600ppm 歯周病 予防用
700ppm 歯周病 治療用

予防・治療に応じた高濃度炭酸水素ナトリウムの生成により、10秒以上30秒以内でのバイオフィルムの破壊除去が可能となりました。

バイオフィルムが除去されている

②発明の低分子消毒剤はバイオフィルム浸透可能な分子量100以内であること

発明分子量 純水分子量18を溶媒として低分子次亜塩素酸分子量52を溶出とする合計分子量70の低分子次亜塩素酸の生成により、バイオフィルム下層までの浸透が可能となりました。
バイオフィルム内細菌が死滅している

③発明の高濃度消毒剤は歯周病原細菌が殺菌可能な次亜塩素酸の濃度(300ppm以上700ppm以下)であること

発明濃度 高濃度次亜塩素酸 600ppm 歯周病 予防用
700ppm 歯周病 治療用

予防・治療に応じた高濃度次亜塩素酸の生成により、10秒以内での歯周病原細菌の殺菌が可能となりました。

すべての歯周病原細菌が死滅している

④発明の微酸性消毒剤は歯や歯肉の溶解性がないpH6.5であること

発明成分 次亜塩素酸【HCIO】+炭酸水素ナトリウム【NaHCO3】

pH5の次亜塩素酸とpH8の炭酸水素ナトリウムが両者ともに同濃度になるpH6.5の次亜塩素酸の生成により、歯や歯肉の組織溶解性がなく歯肉の細胞が固定され細胞形態が変異しません。

700ppm次亜塩素酸
60分経過後
pH6.5のため歯肉が溶けず
骨を包囲している
pH6.5のためカルシウムが内部に維持され歯が溶けない

⑤発明の体内成分消毒剤は人工的生成が可能な体内(免疫殺菌・細胞液)成分であること

発明成分 次亜塩素酸《HCIO》(免疫殺菌成分)+
炭酸水素ナトリウム《Naイオン HCO3イオン》(細胞液成分)

自己寛容が働く体内(免疫殺菌・細胞液)成分の生成により、洗口による副作用・アレルギーの発生確率が少なくなりました。

⑥発明の溶菌消毒剤は歯周病原細菌の核酸を障害可能な次亜塩素酸の濃度(300ppm以上700ppm以下)であること

発明濃度 高濃度次亜塩素酸 600ppm 歯周病 予防用
700ppm 歯周病 治療用

歯周病原細菌の核酸を障害する高濃度次亜塩素酸の生成により、連用による耐性菌の発生がなくなりました。